症例

検体採取不良から見えてきた患者の状態

検査室に届いた検体を見たとき、まず思ったのは、「これ、かなり採血が難しかったんだろうな」ということでした。生化学のスピッツには、血液が3分の1ほどしか入っていません。血算もかなり少量。凝固検体は、すでに凝固していました。そして、測れるかわか...
症例

肺炎のデータだけじゃない? 慢性炎症の背景から検査値を読む

────────────────────高齢女性。呼吸苦で救急搬送。診断 : 肺炎────────────────────WBC 11,000/μL好中球 80%肺炎という診断を聞いて見ると、「急性細菌感染として矛盾しないな」という印象です...
症例

白血球正常? 分画から考える

────────────────────高齢男性。発熱と下腹部痛で来院。WBC 9,000/μL好中球 76%単球 16%────────────────────初めは、採血結果だけを見ていました。WBC 9,000/μL基準範囲内です。「...
症例

pH 6.4。溺水後の血液ガスから考えたこと 急性期の検査値をどう読む?

前回、血液ガスから、重度の呼吸性アシドーシス+高AG性代謝性アシドーシスが同時に起こっていることが分かりました。今回は、凝固、血算、生化学を見てみます。────────────────────PT 20秒APTT 100秒Dダイマー 50 ...
症例

pH 6.4。溺水後の血液ガスから考えたこと

────────────────────成人女性。水没事故による溺水で救急搬送。────────────────────体温は35℃。酸素10 L/分投与中の血液ガスは、pH 6.4PaCO₂ 90 mmHgPaO₂ 105 mmHgHCO...
コラム

追記:IgMと補体について

◾️IgMIgMは、抗原に初めて出会ったときの一次免疫応答で比較的早期に産生される抗体です。そのため、IgM=感染初期というイメージがあります。ただし、ここで大事なのは、何に対するIgMなのかということです。ーー特異的IgM例えば、・EBV...
症例

発熱と咳。細菌?ウイルス?

────────────────────5歳女児。持続する38℃台の発熱、湿性咳嗽あり。────────────────────検査結果は、白血球 10000/μL以上好中球 70%以上赤血球 400万/μL血小板 32万/μLIgM 33...
症例

発熱と痙攣の裏で進行していたもの 第4章 顕微鏡から見えた重症感染と多臓器不全

第1章ではショック、第2章ではDIC、第3章では血液ガスからARDSを考えました。そして、この症例で最後の決め手となったのが血液塗抹標本でした。ーー血液塗抹を鏡検していると、酵母様真菌を認めました。本来、末梢血は無菌です。健康な人の血液中に...
症例

発熱と痙攣の裏で進行していたもの 第3章 血液ガスから見えた敗血症の進行

前回は、敗血症ショックからDICへ進行する病態について考えました。今回は、翌日に採血された血液ガスから、この患者さんの体内で何が起きていたのかを読み解いていきます。ーー🩸血液ガス酸素4L/分投与下pH 7.46PaCO₂ 20.6 mmHg...
症例

発熱と痙攣の裏で進行していたもの 第2章 血小板低下とDダイマー上昇が教えてくれたこと

前回は、発熱と痙攣で来院した患者さんが、ショック状態に陥っていたことを振り返りました。今回は、その後の検査で見えてきた凝固異常についてです。────────────────────フィブリノゲン 170mg/dLDダイマー 50μg/mL以...